相手はどんな価値を求めていて、自分はどんな価値が提供できるのか
『マーケット感覚を身につけよう---「これから何が売れるのか?」わかる人になる5つの方法』に、「誰に何の価値を提供するの?」という問いかけが出てきます。
この問いは、本当に深い内容だなと思います。
まず、「誰に」という箇所。
例えばこのブログは、先延ばししてなかなか行動に移せない人(自分自身ですが)に向けて書いていますが、男女とか年齢とかはあんまり考えていないです。
本当は絞ったほうがよいのでしょうが、とりあえず継続するのが最優先かなと。
次に、「何の価値を」の部分。
これが、ついつい「何を」で考えてしまうんですよね。
このブログの例で言えば、有益な先延ばしの対策が載っている本を紹介するだけでは弱いんですね。
価値という意味では、読んだ人が「すぐに行動に移せて、かつそれが継続でき、後悔しない人生を送れるようにする」というのが目指すところです。
だいそれたテーマですね。
「提供する」という部分では読んだ人が納得するだけで終わらず、実践に移してもらえるかがポイントになります。
これは自分自身まだまだなので、今後も改善していきたいところです。
本書では、価値について様々な例が紹介されていました。
そのうちの一つが、「なぜ、甲子園は他の部活と比較して圧倒的に注目されるのか」というものです。
言われてみれば、そうですよね、
その答えは、
全力で戦ったにもかかわらず、時の運で勝ったり負けたりする理不尽さや、技術レベルが低くても、気合と根性でカバーしようとする若者たちの物語
が取引されているからということです。
それで私が思ったのは、上記の取引される価値と野球というスポーツの相性の良さです。
サヨナラボークとか、
五打席連続敬遠とか、
その取引される価値が、観客に非常に分りやすいんですね。
サッカーでもPKとかなら分かりやすいですが、通常のプレイは状況が常に変わってしまいます。
しかし野球は何回裏のツーアウト、ランナー何塁といったシチュエーションが1球ごとに明確になるため、時の運や気合と根性といった状況が分かりやすいんです。
他のスポーツを甲子園のように盛り上げるには単に形式を真似るだけでなく、理不尽さや気合を分かりやすく伝えることが必要なことが分かります。
だから例えば尊敬する人がいたとしても、その人と同じことをしてもダメなんです。
その人が与えている価値は、何なのか。
自分が与えられる価値は、何なのか。
自分なりに価値を提供するには、どうすれば良いのか。
そういう視点が必要になります。
本書では、市場で取引されている価値が何なのか、感覚的に理解できる能力をマーケット感覚と名付けています。
それを鍛える方法の一つとして、プライシング能力を身につけることが提案されています。
プライシング能力とは、値札つきの商品に対して自分の基準に基づき値段をつける能力です。
例えば、○○駅から徒歩5分の一人暮らしのアパートの相場は大体これくらいといった、世間で一般的な値段があります。
でも、ここからなら通勤が非常に快適だから自分としてはもっと高い家賃を出してもいいと値付けできれば、プライシング能力を身につけたといえます。
なぜなら例えば自分が大家になったときに、同じ価値観を持った人には世間一般の値段よりも高くても売れることが分かるからです。
私自身通勤にかかる毎日の精神的・肉体的負担が軽減できるなら、一般的な家賃より数万円高くてもいいと思って払っています。
逆に自分の納得できないお金は、1円でも払わないように努力しています。
本書では最後に、「変わらなければ替えられる」という話がでてきます。
自分が変化しなければ、変化に適応した他者に取って替わられるだけということです。
弱者でなくても変化しないといけない時代になったので、意識して変化していきたいですね。