1日外出録ハンチョウに学ぶ、期待値マネジメント
今回は『1日外出録ハンチョウ(4) (ヤンマガKCスペシャル)』より、印象に残ったポイントをご紹介します。
第26話では、期待値マネジメントの重要性がポイントになっています。
格安チェーン店の料理は大きな期待をせずに食べるので、大槻は値段の割に美味しかったといった満足感を得ることができていました。
期待値というハードルが低いから、容易に飛び越えられるわけです。
ところが大槻が雑誌で見つけた親子丼は、
- 店名が「極味」
- 開店時間は11時~14時
- 無くなり次第終了
- 値段は2200円
と、とんでもなくハードルを上げてきます。
しかも長い行列に並ぶ必要がある、親子丼の並盛か大盛しかないメニューと、さらにハードルが上がります。
しかも、メニューに書かれた品名が「ふわとろ親子丼」。
ぐっ…!これのせいで…ふわとろじゃなかった時点で…即アウツ…!
と、苦悩する大槻。
期待値を下げる最後の手段として、「ふわとろ」をつけずに注文します。
そんな苦悩を知らない店員は、
ふわとろ親子丼の並1つですね?
と、わざわざ形容詞をつけて注文を確認します。
そんなこんなで最大限に上がったハードルでしたが、でてきた親子丼は文字通りふわとろで、大槻の期待値をぎりぎり超えてきます。
しかし最後の最後の会計時に、「理外の」チャージ料500円が追加されたことが発覚し、ぎりぎり超えたと思っていたハードルに引っかかった大槻は転落してしまいます。
(予想外ではなく、理外なんですね。こういう言葉のチョイスも面白いです)
いや、期待値マネジメントは本当に大事です。
今回の話でいえば、最初からチャージ料の存在が明確であれば話は変わったかもしれませんが、後出しになったのがさらにまずかった。
実際のところ、そういう店って自分も行かないので分からないんですが、長続きするものなんですかね。
たぶん、味以外にも店の雰囲気とか、プラスのポイントはあるはずですが、長続きしないのではと思います。
普通のチェーン店で、800円くらいでそこそこのものが食べられる店が、結局は残るのではないでしょうか。
なぜなら、期待値が低いから。
例えば遅刻して、あと何分で着きますと相手に伝えるときは、多めに時間を伝えることが大切です。
あと15分で着きそうと言っていながら、30分かかると余計に印象が悪くなります。
あと1時間で着きそうと言って、30分でつけば期待値のハードルを楽に超えられます。
まあ、仕事なんかだとこういう期待値下げのための時間が織り込まれ過ぎて、現実よりもはるかに長い時間を見積もったりするんですけどね。
でも、これはやむを得ない部分があって、早く終わりすぎたより遅く終わり過ぎたほうが確実に文句を言われると分かっているからです。
要求している方が期待値が高いから、要求される方が下げようと頑張るわけです。
だから、それを変えたいのであれば、自分が相手にどのような期待値を持っているかを振り返る必要があります。
あとは例えば、テレビでさわやかなイメージのタレントが不倫とかすると、猛烈なバッシングにあいます。
一方で、過去に何度も犯罪を繰り返した人が、ちょっとボランティアとかするとすごく称賛されます。
両社を比較したら、どう考えても前者の方がマシなのに、そうなってしまいます。
まあ、そうだと分かっていても、期待値を下げるために自らイメージを悪化させる振る舞いをするのも難しいので、なかなか実践するのは大変ですが。
でも、世の中には愛されキャラみたいな人もいて、まああの人なら仕方ないかなみたいな人もいます。
何回も結婚と離婚を繰り返す人が、また離婚しても「あっそう」みたいになります。
人間、好きなように生きていくのが一番いいのかもしれません。