ストレスは、人生を面白くするためのスパイス
今回は、『マンガで分かる心療内科 ストレスコントロール編 (ヤングキングコミックス)』より、印象に残った点をピックアップします。
この本の主張を一言でいうと、「ストレスはいいもの」ということです。
そもそもストレスが体に悪いという説は、ラットに対して生命を脅かすくらいの過酷な状況に追い込んだ試験の結果を、人間に強引に当てはまてしまったものが広がってしまったということです。
例えば定年退職や子育てが終わったあとに、うつになる人がいるそうです。
だから、ストレスは体に悪い、ない方がいいものとは言えず、ストレスは心を強くし人生を成功させるものと捉えることができます。
ストレスが体にいいものと考えれば、それを跳ね返そうと努力します。
ストレスが体に悪いものと考えると、それから逃げようと依存行為に走ってしまいます。
だから、例えば働いている会社がブラックだったとしたら、その分頑張って転職したり起業したりするエネルギーにすればいいのです。
注意が必要なのは、ストレスと実害は違うということです。
意図的にトラブルに巻き込まれたりして、怪我をしたり他人ともめたりして肉体的、精神的、社会的なダメージを受けるのは実害と言えます。
一方でストレスは心のダメージです。
ただ、無理して頑張ってうつになったりしたら、それは実害になってしまいます。
それは、ストレスの対処として頑張るということとは違うということに注意です。
ストレスと実害は分けて考える必要があります。
仕事で失敗してつらい、悲しいと思っていたとしたら、仕事で失敗による損害が実害で、つらい、悲しいと思うことがストレスです。
そして実害そのものに注目し、仕事で失敗した損害を次に出さないようにするにはどうしたらよいか?と考えます。
そこで、悲しい、つらいというストレスと実害とを区別していないと、気持ちの整理が大変になってしまいます。
ストレスが原因で勉強などに取り組めないときはどうでしょうか。
実は、これは勉強したくない原因をストレスに求めているだけです。
これも、アドラー心理学の目的論ででてきた話ですね。
ストレスに対して、それを前向きにとらえて課題をクリアしようとする人と、嫌なものととらえて逃げ続ける人なら、前者の方が魅力的になれます。
逆にストレスから逃げ続けたら、何もせず、なにも達成できず、ただ老いて人生が終わってしまうかもしれません。
なんらかのストレス状態になると、緊張してしまう人もいると思います。
そういうときは緊張しないようにするのではなく、興奮している、ワクワクしている、ゾクゾクしていると前向きにとらえます。
辛くて余裕がなくなったら、笑うといいです。
「笑う門には福来る」というのは科学的にも正しいそうで、体の状態に心も引きずられます。
気持ちが明るくなって笑えるようになるのを待つのではなく、ずっと笑いつづけていれば、気持ちが明るくなります。
姿勢もそうで、猫背で縮こまっていると気分まで暗くなりますが、背筋を伸ばしていると気分も明るくなります。
一切のストレスがなかったら、どうなるでしょう。
朝から晩までずっとゴロゴロしていて良い状態になったら、何かをしようというエネルギーまで無くなってしまいます。
それは決して幸せとは言えません。
言葉というのは大切で、否定的な言葉を繰り返し見るのと、肯定的な言葉を繰り返し見るのとでは、後者の方がやる気が高くなったそうです。
ダメだと思っていたら、ダメなままということです。
人は目指したもの以上のことはできないので、まずは目指したものが実現できるよう、できることをやっていくしかないです。
すべてが予定通り進む人生は一見楽なように見えて、ただ退屈なだけだったりします。
予定外のトラブルに見舞われても、それを乗り越えることができれば、それが幸福につながります。
自分の人生をマンガの主人公ととらえ、それを読んでいる読者が楽しめるよう、ピンチに立ち向かい、乗り越えることで読者が感動できるような人生を送りましょう。