行動し、継続するために必要なこと
勉強でも仕事でもダイエットでも良いのですが、「理想の自分に近づきたい」と思ったとします。
でも思うだけでは何も変わらないので、何か行動を起こす必要があります。
「英語を喋れるようになりたい」のなら、英単語を覚えるとか発音の練習をするなど。
「ダイエットしたい」のなら、食事制限をするとか運動するなど。
そして、それを継続する必要があります。
多くのことは数か月以上、継続しないと効果がでないです。
さらっと書きましたけど、これってすごく大変ですよね。
まず「行動を起こす」ところからして、何から手をつければ良いか調べたりしないといけないです。
そしてそれを何か月も「継続する」となると更に大変で、三日坊主に終わる人も多いと思います。
これを一気に解決する魔法のような方法があれば良いんですが、そういうものはないです。
あったらみんな、とっくの昔にやっています。
そんな方法は無いにしても、ちょっとしたコツみたいなものはいくつかあると思います。
ここでは私の読んだ読んだ本や個人的な経験をもとに、何かヒントになりそうな情報をいくつか提供していきたいと思います。
今回は『小さな習慣』スティーブン・ガイズ
という本を基に、習慣化のコツをご紹介します。
この本の内容を一言で表すと、「ばかばかしいほど小さくて失敗すらできない目標を立て、これを毎日実行する」です。
「ばかばかしいほど小さい」とは、忙しく体調がすぐれず疲れているような日でも、絶対にクリアできるレベルを指します。
ポイントは、目標は「小さくてもよい」ではなく、「ばかばかしいほど小さいものでないといけない」ということです。
「理想の自分との距離が遠ければ遠いほど、大きな目標をたてて懸命な努力をしないといけないのでは?」と思われるかもしれません。
しかし、これが落とし穴なんです。
これを説明するために、人間の脳の仕組みについて解説します。
まず人間の脳は、意識と無意識に分けて考えることができます。
意識の部分は、理性と同じ意味です。
例えば「ダイエットをがんばろう」とか、「勉強や仕事をがんばろう」と思う部分です。
無意識の部分は、本能と同じ意味です。
例えば「甘いもの食べたい」とか、「ネットしたい」「ゲームしたい」と思う部分です。
脳の構造的に意識と無意識はどちらが強いかというと、無意識です。
意識はエネルギーを大量に消費し疲弊しやすいですが、無意識はエネルギーを効率よく使うことができるため、意識が疲弊すると無意識が脳の主導権を握ります。
例えば「ダイエットを頑張ろう」と意識します。
でもそのために運動したり甘いものを我慢することで、意識はエネルギーをどんどん消費してしまいます。
意識が疲弊し弱くなったところで、無意識が主導権を握ると「甘いものを食べたい」といった欲求がでてきます。
意識は無意識をコントロールする力を失っているため、その欲求を抑えられないのです。
このような特徴をおさえたうえで、小さな習慣の話に戻ります。
目標を「ばかばかしいほど小さいもの」にすると、意識の消費するエネルギーを最低限に抑えることができ、意識が主導権を握りやすくなります。
また、新しいことは始めるまでが一番大変です。
『小さな習慣』の著者スティーブン・ガイズ氏は1日30分の運動の習慣を身につけるため、毎日腕立て伏せを一回することを目標にしていました。
ただし1日に1回行ったあと、もの足りない場合は何回でも追加してよいというルールです。
いきなり1日30分の運動を毎日することを目標にしても、挫折しやすいです。
でも腕立て伏せ1回だけなら、ほんの数秒あればできます。
1回で物足りなければ、5回でも10回でも追加して良いわけです。
ここで最初から腕立て伏せ10回を目標にしてしまうと、意識が疲弊しているときは行動できなくなってしまうわけです。
また著者はモチベーションについては感情に左右されるため不安定なものであり、あてにしてはいけないと言います。
無意識は急激な変化を嫌うため、仮に一時的にモチベーションが上がって高い目標に挑めたとしてもモチベーションを維持し続けることができず、行動が長続きしないからです。
そうではなく歯磨きとか通勤通学のように、無意識にできるように習慣になるまで継続することが大切です。
設定した目標が歯磨きレベルでこなせるようになったら、そのレベルから見て次の「ばかばかしいほど小さい」目標を立てて取り組んでいきます。
そうやって自分が無意識のレベルでこなせる範囲をジワジワと広げることで、理想の自分との距離を縮めていきます。
ここで一点注意してほしいのですが、目標は複数設定したくなるかもしれません。
しかし、必ず一番大切な1つに絞ってください。
理由については、別途書きます。